腰痛(腰の痛み)

腰が痛いときはどうすれば良い?

激しい痛みがある急性期には、過度な負担を避け、ゆっくりと休息することが重要です。体を横向きにし、背中を少し曲げ、腰に負担のかからない快適な姿勢をとることがおすすめです。氷枕などで患部を冷やすことも有効です。ただし、次の日以降は痛みが軽減したら、積極的に動くことが重要です。

腰痛から考えられる病気

変形性脊椎症

加齢による脊柱の変形や椎間板の変性により、脊柱の可動域制限や姿勢の変化があらわれます。筋肉の緊張が高まり、筋肉疲労が起こり、これが痛みの原因と考えられています。痛みは朝方に強くなる傾向があり、起床後に体を動かすと軽減します。

腰部脊柱管狭窄症

変形性脊椎症や加齢による椎間板変性(椎間板ヘルニアも含まれます)、椎間関節の肥厚などさまざまな原因により、背骨の神経通路(脊髄:せきずい)が狭くなります。この狭窄の場所や程度によっては、臀部や下肢にしびれや痛み(坐骨神経痛:ざこつしんけいつう)、そして運動障害が発生することがあります。症状としては、姿勢や歩行の変化が特徴的です。

脊椎圧迫骨折

加齢に伴う骨強度の低下が原因で、脊椎が脆弱性骨折を起こしています。転倒だけでなく、咳やくしゃみなどの軽い外力でも引き起こされることがあります。重症な場合には、腰部脊柱管狭窄症を併発し、下肢に神経症状が現れる可能性もあります。

圧迫骨折はレントゲンでわかりますか?

骨の変形は軽度であるため、骨折直後(超急性期)のレントゲン写真で発見することは困難です。急性期に明らかな骨の変形が認められる部位は、古い骨折であることが多いです。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、加齢に伴い骨からカルシウムが溶け出し、骨量が減少して骨が弱くなる疾患です。この状態になると、わずかな衝撃でも容易に骨折するようになります。通常、骨では破骨細胞が骨を分解し、同時に骨芽細胞が新しい骨を形成し、日々古い骨と新しい骨が入れ替わっています。しかし、加齢とともに破骨細胞が増加し、骨芽細胞が減少するため、骨の強度が徐々に低下します。
特に閉経後の女性においてこの傾向が強く現れます。女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、骨の主成分であるカルシウムの堆積をサポートしています。しかし、閉経するとエストロゲンの分泌が停止するため、骨粗鬆症の発症リスクが高まります。

骨粗鬆症

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板と呼ばれる背骨と背骨の間にある軟骨が変形し、椎間板の内側の柔らかい部分が突出することで起こる疾患が、腰椎椎間板ヘルニアです。背骨から足に伸びる神経がヘルニアの影響を受けると、腰部から臀部、および太ももの裏にかけて痛みやしびれが生じる場合があります。

腰椎椎間板ヘルニア

大動脈解離

動脈硬化が原因で、大動脈の壁が裂ける疾患です。突然の腰痛で発症するため、ぎっくり痛と間違われることもありますが、早急に治療しないと生命にかかわる場合があります。

化膿性脊椎炎・化膿性椎間板炎

細菌感染により脊骨や椎間板が影響を受ける疾患で、発熱と激しい腰痛を伴うのが特徴です。ただし、高齢者や糖尿病患者では発熱が軽度であることが多い点に留意する必要があります。そのため、この疾患の確定診断にはMRIや採血が有益です。

悪性腫瘍の骨転移

前立腺がんや乳がんなど、他の部位のがんが骨に転移する場合、腰痛の症状が現れることがあります。

膵炎、膵がん、尿管結石、尿路感染症

内臓の中でも背中に近い位置にある膵臓や腎臓の炎症が腰痛症状を引き起こすことがあります。炎症がひどくなると、背部の叩打痛に加え、食欲不振、吐き気、発熱などの症状が現れます。確定診断のためには、超音波検査、CT、MRIなどの画像検査、血液や尿の採取が必要です。

高齢者で腰痛が見られた際の診断

症状の部位や経過、合併症の有無、神経学的な所見、レントゲンやMRIといった画像検査などから総合的に診断します。
感染症や腫瘍が疑われる場合は採血し、腰部脊柱管狭窄症が疑われる場合は脊髄造影検査も行います。
初回の検査で診断がつかない場合もあり、繰り返し画像検査を行うことで疾患が明らかになる場合もあります。

高齢者の腰痛の治療

変形性脊椎症と腰部脊柱管狭窄症の場合、内服薬と理学療法による保存療法が第一選択となります。保存療法があまり効果的でない場合は、ブロック注射や手術が次に選択されます。
圧迫骨折の場合は、コルセットによる脊椎の安静と骨粗鬆症の治療も、痛みの軽減に効果的です。

高齢者の腰痛は骨粗鬆症に注意?

なぜ骨粗鬆症が腰痛の原因となるのでしょうか?
骨粗鬆症が進行すると、脊椎が弱くなり、わずかな衝撃でも背骨が容易につぶれます。これが圧迫骨折です。このような状態が腰椎で発生すると、腰椎の形状が変わり、神経が圧迫され、腰痛や股関節痛が生じる可能性があります。骨粗鬆症は自覚症状がわずかであり、骨折しても本人が気づかないことがあるため注意が必要です。

骨粗鬆症

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